香炉灰のお役目
昨今では様々な色形の香炉や香皿などでお香を楽しむ事ができるようになりました。仏事などでは、大きな香炉に、灰が入っているのが一般的によく知られています。
今日は、細かいお作法は抜きにした「香炉灰」の簡単なお役目についてお話します。
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5つのお役目
1.温度調節・・・灰の量や厚み、灰の押さえ度合で、火加減が調節できます。練香(ねりこう)や薫物(たきもの)では特に重要である「温める」その火加減はけして強すぎず、弱すぎず、優しい熱を作ります。
2.「火」を安定させる・・・灰はゆっくりとじんわりと「熱」を伝える特徴があります。香炭や炭団の火が長い時間一定して燃え続けるには「火」が安定している事が重要な事になります。香木を直接燃やす事なく、間接的に熱だけを伝えることで、香りが焦げたり煙がでることなく良き香りのみが立ち上ります。
3.香炉内の形を整える・・・香炉に灰をおさめておくと、炭や香木が安定して置く事ができます。三足香炉は灰面を美しく整えることで礼法にも適います。
4.香道・礼法においての意味・・・灰を整える「灰形はいなり」は、香席の準備の一部でもあり、同時に自分の心を整える時間でもあります。灰は、その方の心が表れるものでもあります。また、整えられた灰は、大切な方への敬意のしるしでもあります。
5.安全面・・・灰が熱を包むため、炭の火花や直接の火の接触を防ぎ、香炉を持ち運んでも炭が乱れにくくなります。
香道で使用される灰
香道で使用される灰は、香道灰と言われている純白で粒子が細かく、軽くふんわりとした灰質感です。灰をふるい、焼き清め、湿気を飛ばした後に使用されます。この時の灰の美しさやお手入れの丁寧さも、お点前をされる方の心情があらわれます。
香道では、香炉に入れた灰を美しく整える作法、整った灰形は、炭の熱を適切に伝え、香りを最大限によい状態で引き出すお役目があり、お招きした大切な方へ敬意をはらうための大事な灰となります。
長年わたしたちの心とからだを癒やし続けてくれた「灰」は積もり積もり、奥深い灰香になり、その方の人生が積み重なった灰香になるように感じます。
基本
1.準備・・・ふるって湿気をとった純白で粒子が細い香炉灰を入れます。灰は香炉の深さ7~8分目くらいまで入れ、灰匙(はいさじ)や灰押さえ、などで整えます。
2.灰をほぐしならす・・・灰匙(はいさじ)でふんわりとほぐし、塊をなくします。同時に炭が入っている場合は熱い部分に注意が必要です。
3.高さを整える・・・灰の表面を均一にします。香道の世界では、心の平静を表す作法でもあります。
4.灰を押さえる・・・灰押さえや灰匙(はいさじ)の背で、灰を軽く押さえ、強く押さえすぎないよう注意しながら、熱伝導が適当になるよう注意しながらふんわり押さえます。
5.中心を作る・・・炭を置く位置や香木を置く場所に、軽くくぼみを作ります。練香なら、中高型、中平型、香木直焚きの場合は、平型など、目的に合わせて形を変え整えます。
灰形の種類はお教室でお伝えしております。
美しさを追求
灰の表面はなめらかに、細かな波や筋が残らないように整えます。灰の白さや均一感は、香席での格を左右するほどとても重要なことになります。そのものが香のおもてなしとされています。
お香は、単に香りを楽しむのも良し、香りとともに知恵や文化、礼儀作法を深めるのも良し、自分自身を深めるのも良し、お香を生涯することで人生の質が深まり、人間性が深まり、精神性が深まり、幸せな暮らしにつながります。
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